『第53号:目標はブラックボックス』


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   鉄の厨房:目標はブラックボックス

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 ●個々の技術

  最初の頃、作る人と、使う人、同じことが多いもの。
  自分の不便を自分で解決、そうしたことが、技術のはじまり。

  そうした技術、最初は必ず特殊なもの。
  使う人にも、専門的な知識を要求する。

  使う人が広がれば、知らない人でも使えることが必要に。


 ●技術の目的

  人の暮しを便利にすること。
  多くの人に使ってもらって、意味がある。

  もっと便利に快適に、そしてもっと簡単に。


 ●使う立場

  立って見れば、ものの仕組みに、興味はない。
  どういう結果が得られるか、それだけが本当の意味で必要なこと。

  信頼性、それも得られる結果の一つ。
  仕組みはどうあれ、安心して、まかせられること、重要なもの。

  仕組みについて聞くこと、実は安心したいだけ。


 ●専門家

  その結果を求めるために、いろいろな方法、試すもの。
  便利だと思うこと、こだわりを持って考える。

  引出しを多くもち、ベストの答えを考える。
  そうした知識、持った人間が専門家。

  使う人には、ブラックボックス。
  技術の目標、そうあるべき。


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 編┃集┃後┃記┃
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  自動車の構造、分かって使う人、ほとんどいないと思います。
  エアコン、電子レンジ、使う人はその結果が欲しいだけです。

  パソコンも昔から考えると、ずいぶん使いやすく、同時にブラック
  ボックスになったと思います。

  ところでこのようなこと、ものづくりの世界にかかわらず、どのよ
  うな仕事にも、言えることだと思います。

  サービスを受ける側からすれば、興味があるのはその結果だけです。
  プロセスとか理由とかは、安心するための材料であり、結果が良け
  れば何も言うことはないものです。


  では、また次回、お会いしましょう。


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