『第47号:基本に戻る』


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   鉄の厨房:基本に戻る

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 ●世の中にある技術

  それぞれ人が専門として、作り上げた成果。
  それらは一見、とても複雑に見えるもの。

  使う人、結果だけ分かればそれでいい。
  技術の目的は、ブラックボックス。


 ●しかし、人間の作るもの

  基本はそれほど多くはない。
  どんな人間でも、腕や手の動き、同じもの。

  関節の動きは一種類。
  その動かし方で、いろいろなものを作るもの。

  一見難しい専門分野。
  基本に戻って理解すること、必要なこと。


 ●技術の進歩

  前の技術に新しい知識を加えて、作り上げる。
  新しい知識を加える際、基本に戻る事、とても重要。

  改良するには、基本に戻る事、大切。
  基本に戻って考えれば、技術の問題点も見えてくる。

  そこから、新たなやり方、方法、発想が生まれる。
  それこそが、今まで人間がくり返してきた、技術の進歩。


 ●手や腕の動きと同じこと

  複雑な技術も、基本に戻って考えれば、単純なことの組合わせ。

  全体を眺める事と、その細部を細かく見る事。
  場合によっての使分け。

  基本に戻り、見ることで、技術のポイント、分かるもの。


 ●専門を深く掘るには

  入口を拡げていくこと、とても重要。
  基本に戻るは、その入口を拡げる作業。

  基本に戻ると、そこから新たな周辺技術が見えるもの。
  進んだ先、新たに自分の知識をつけ加える。

  つねに基本に戻る事、それが技術の発展の原点。


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 編┃集┃後┃記┃
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  "基本に戻る"。

  これが大切なのは、技術の分野に限ったことではないと思います。

  音楽でも、スポーツでも、人間のすること、すべてにおいて共通の
  ことではないかと思っています。

  私はスキーをやりますが、上級に進んでも、かならず練習するのが、
  ボーゲンでした。

  ボーゲンを行うと、板への乗り込み、エッジのたて方、重心の移動、
  全てを確認しながら、最適なバランスの練習になるものです。

  そして、上級者の行うボーゲンは、スキーの基本に忠実で、美しく
  安定感に富むものでした。


  技術屋として、基本に戻る。

  いつも思っていたのは、高校時代の物理、化学です。
  時には、小学生の頃に、遊びで経験した現象なども。

  作りだすものは、すべて自分の中にあるもの。
  自分の過去、経験を見つめることでもありました。


  では、また次回、お会いしましょう。


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