『第29号:スピードとタイミング』


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   鉄の厨房:スピードとタイミング

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 ●技術はいつでも

  発達、改良をくり返していくもの。
  だから、どんな時でも、決して完璧はない。

  完璧がないから、改善されて、高度、完成された技術になっていく。


 ●考えるという作業はエンドレス

  考えた結果に対して、さらに上を考えるもの。

  それは、他人のアイデア、すでに完成されたものだけでなく、
  現在の自分の考えたものに対しても、行うことも。

  さらにいいものを求める向上心、技術の発達には必ず必要。


 ●その品物にも旬がある

  必要とされてる時と場所。
  そのタイミングに間に合わなければ、意味がない。

  人が必要としているものを、世の中に送り出す事、それが仕事。
  人が必要としている時に、世の中に送り出す事、それが重要。


 ●時間は有限

  モノ作りの仕事、必要とされるタイミングに合わせること、重要。
  いくらいいものができても、間に合わないもの、価値はゼロ。

  時間があれば、もっと良いもの、考えられる。
  それは技術の進歩そのもの。ある意味、あたりまえ。

  仕事のスピード、とても重要。
  同じ時間で多くの内容を盛り込める。


 ●検討する作業

  最初は粗く考える。そして、徐々に詳細に検討する。
  検討の成果。それに自己満足できる時間は意外に短い。

  さらに詳細に、検討したくなるもの。それが技術。
  その意識は作ってすぐ、記憶が鮮明なほど、強くでるもの。


 ●時間を区切り

  そこで妥協することも、必要なこと。
  しかし、ぎりぎりまで考える、執着心とのバランス感覚。

  完全でなくてもかまわない。
  世の中にまず出してみること、必要な場合も。

  しかし、改良ポイント、いつも明確であることも。


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 編┃集┃後┃記┃
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  学生時代の卒業論文。
  提出3日前に教授から、追加実験を指示されたものでした。
  当時は、"なんてムチャな"と思ったものです。

  就職しての実際の現場、それぞれの部所のせめぎあいです。
  製作側が"もう時間的に限界、無理!"と言うぎりぎりまで、要求
  元と設計は、仕様検討しているものでした。

  要求元の仕様追加、変更には限りがありません。

  それは、より完璧な物を目指す、技術屋の本能のようなものです。
  そして、それを実現可能な形へと考える事、これもまた本能。

  そして、時間切れになってからの、実際の作図作業。
  こうなると、製作の人間が横にいて、徹夜作業はありまえでした。

  モノ作りの世界、どんなところでも、このような光景が繰り広げら
  れていると、思うものです。

  いくら"計画的な仕事を推進しよう!"と言っても、期限ぎりぎり
  まで最適を考えることは、技術屋の本能だったと思います。

  逆に言えば、この世界。企業で働く技術者、ホントはサラリーマン
  なのですけど、真にサラリーマン的な人、自然と淘汰されて行くも
  のでした。


  では、また次回、お会いしましょう。


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