『第3号:ものづくりのレシピ"図面』


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   鉄の厨房:ものづくりのレシピ"図面"

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 ●ものづくりにかかせないもの、図面

  図面なしでものづくり、やることもある。
  しかし、同じものを、何回も作ろうと思ったら、図面は必要。


 ●料理でも、慣れた人はレシピなど見ない。

  でも、その料理、だれもが同じに作るには、かならずレシピが必要。


 ●図面に書かれているもの。それは、ものづくりに必要な情報

  形、寸法。これは最低限。これは、だれでも見て分かる。

  しかし、それ以外のことも重要。

  材料の指定、熱処理の方法、加工方法、仕上げ精度、表面処理・・・

  ただしこれ、文章で書くと、膨大。

  読むのも大変、読んでもつまらない。
  読んで面白い指示書、書ける人は、まずいない

  だから、記号で指示する。


 ●料理人は記号を覚える?

  図面の記号、全てわかる人は、おそらく少数派。

  日本人で、漢字、すべて読み書きできる人、少数派と同じこと。

  辞書があれば、それですむもの。辞書はもちろん、JIS。

  よく使う記号は限られている。そして、見慣れない記号が書い
  てある図面は、要注意。

  自分の技量とはかりにかけないと、作れないものもある。


 ●同じ図面から、できたものは、同じ?

  図面を書く側にすれば、どこで作っても、同じものができるよ
  うに書くことが必要。それが図面の品質。

  しかし実際、モノのデキは違うもの。

  一流シェフのレピシ。これだけで、完全に同じ味は出ないもの。
  楽器の演奏。譜面は同じ。でも、名人の演奏は違うもの。


  図面についても同じこと。しかし、ものづくりの場合、本来は
  解釈が変わらないことも必要。すると、図面の記号が増えていく。


 ●目的は、ものをつくる事

  設計と製作の意志が通じれば、図面に記号は不要。

  設計と製作、場所が近ければ、記号なし図面もOK。わからな
  いところは、聞けばよい。説明をすればよい。

  しかし、図面だけで、済ますためには、図面の厳格性が必要。


 ●設計と製作

  物理的な距離は短いにかぎる。

  図面は指示書。その解釈を、電話で確認できること。

  難しいものでは、加工方法について、打合せができることが必要。


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 編┃集┃後┃記┃
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  図面については、いろいろ難しい点があります。

  製造業の流れとして、アウトソーシングがあり、加工はそれぞ
  れの専門業社に依頼するのが、普通です。

  しかし、図面だけでは、どうしても表現しきれない部分もあり
  ます。それを、無理に図面に書き込む結果、オーバースペック
  な図面ができあがるのを、見てきました。

  この場合も、客先の設計、検査と打合せをして、守る数値と仕
  上げ状況、加工方法、製作順序を決めれば、問題のないことが
  大半でした。

  海外生産など、時代の流れはありますが、設計と製作。物理的
  な距離が近くないと、いろいろ難しいことも、あるものです。


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